大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

京都地方裁判所 昭和38年(わ)276号 判決 1972年6月30日

本籍と住居

京都市右京区松尾大利町二〇の一

会社役員

河野静輔

大正一四年一一月二三日生

本籍

京都市下京区木屋町通五条上る下材木町四五一番地

住居

京都市右京区桂木ノ下町四〇番地の五

会社役員

梶浦靖生

大正一四年一月一六日生

右両名に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官北側勝出席のうえ審理して、次のとおり判決する。

主文

被告人河野静輔を罰金二五〇万円に、被告人梶浦靖生を罰金一五〇万円に各処する。

被告人両名において右各罰金を完納することができないときは金五、〇〇〇円を一日に換算した期間、それぞれ当該被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は全部被告人両名の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人河野静輔は別表記載のとおりキヤバレー営業等を営んでいたもの、被告人梶浦靖生は右被告人河野の営業について総支配人としてその業務を統轄していたものであるが、被告人梶浦は被告人河野の業務に関し所得税を免れようと企て、昭和三四年度の被告人河野の所得が二二、八九二、七六六円(この税額一一、二七三、一二〇円)であつたにもかかわらず、同三五年三月一五日、京都市東山区東大路松原下る清水町五丁目一三三番地東山税務署において、同署長に対し三、二〇〇、〇〇〇円(この税額八七五、〇〇〇円)である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同年度の所得税一〇、三九八、一二〇円を逋脱したものである。

(証拠の標目)

一、被告人河野静輔の検察官に対する供述調書五通

一、被告人梶浦靖生の検察官に対する供述調書二通

一、大蔵事務官作成の被告人河野静輔についての質問てん末書二通

一、福井俊夫、松野博(二通)の検察官に対する各供述調書

一、大蔵事務官作成の福井俊夫、奥山千代、山本伊三郎、田中清子についての各質問てん末書

一、東山税務署長作成の証明書

一、証人加納金之助の当公判廷における供述

一、大蔵事務官作成の犯則所得証拠説明書

一、大蔵事務官ら四名作成の調査書(検甲第七二号)

一、大蔵事務官作成の柴田清についての質問てん末書

一、大蔵事務官ら三名作成の金融機関調査書三通(兵庫相互銀行京都支店・検甲第八号、第一二号の一、二)

一、大蔵事務官ら四名作成の金融機関調査書(福徳相互銀行京都支店、検甲第一三号)

一、大蔵事務官ら二名作成の金融機関調査書(京都信用金庫本店・検甲第一四号)

一、大蔵事務官ら二名作成の金融機関調査書(兵庫相互銀行梅田支店・検甲第一五号)

一、大蔵事務官ら二名作成の金融機関調査書(西陣信用金庫祗園支店・検甲第一七号)

一、大蔵事務官ら二名作成の金融関係調査報告書(西京都信用金庫本店・検甲第五一号)

一、株式会社福徳相互銀行京都支店長作成の確認書(検甲第九号)

一、京都信用金庫本店貸付課長代理作成の確認書(検甲第一〇号)

一、株式会社兵庫相互銀行梅田支店預金係長作成の確認書(検甲第一一号)

一、西陣信用金庫祗園支店長作成の確認書(検甲第一六号)

一、西京都信用金庫営業部長作成の確認書(検甲第五〇号)

一、松木組作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第二三号)

一、株式会社小西家具店作成の確認書(検甲第二四号)

一、旭工業株式会社作成の確認書(検甲第二五号)

一、富士電気工業株式会社作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第二六号)

一、株式会社新興電気製作所作成の回答書(検甲第二七号)

一、京都トヨタ自動車株式会社調査課長作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第二八号)

一、関西観光自動車株式会社作成の河野興業宛中古バス売却状況報告書(検甲第二九号)

一、京都中央電話局祗園分局長作成の電話加入原簿登録事項証明(大阪国税局の電話加入状況についての照会に対する回答・検甲第三一号)

一、株式会社サン製材所森房乃作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第四三号)

一、株式会社白菊運送会計係作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第四四号)

一、大川勝己作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第四五号)

一、株式会社高島屋京都支店作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第四六号)

一、株式会社丸物作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第四七号)

一、木村治三郎作成の「河野静輔との取引状況について(回答)」と題する書面(検甲第四八号)

一、ヒラノ硝子店(平野徳三郎)作成の確認書(検甲第四九号)

一、大蔵事務官作成の店主勘定内訳表(検甲第七一号)

一、東山税務署作成の照会回答書(検甲第三三号)

一、京都市東山区長作成の「市税納付状況について(回答)」と題する書面(検甲第三四号)

一、右京区納税課長作成の照会回答書(含追加報告・検甲第三五号)

一、京都府東山府税事務所営理課主事作成の照会回答書(検甲第三六号)

一、京都府右京府税事務所係長杉浦昭作成の照会回答書(検甲第三七号)

一、京都府下京府税事務所長作成の「一人別徴収簿謄本(写)の送付について」と題する書面(検甲第三八号)

一、京都府中京西府税事務所営理課営理収納係長作成の照会回答書(検甲第三九号)

一、大阪府南府税事務所長作成の照会回答書(「徴収簿(写)の送付について」と題する書面を含む・検甲第四〇号)

一、京都市上京区納税課整理係員作成の照会回答書(検甲第五三号)

一、京都市理財局長作成の照会回答書(検甲第五四号)

一、国税査察官作成の固定資産の減価償却額の明細書(検甲第五五号)

一、増田良次作成の供述書(検甲第四二号)

一、押収してある収入日票一冊(昭和四四年押第四五号符号一)、手帳二冊(同附号二の一)、不動産売買契約書、領収証各一通(同符号三の一、二)、計算メモ一枚、計算書四枚、領収証一枚(同符号四の一ないし五)、申告所得税納税義務者の調査関係書類綴り(同符号五)、大黒商会昭和三四年分修理部売上帳一冊(同符号六)、昭和四三年一一月一一日付大阪ガス株式会社の保証金預り証一冊(同符号七)、昭和三五年一月八日付資金日報一枚(同符号九)

(法令の適用)

第一、被告人河野静輔につき

一、判示事実 所得税法附則第三五条、昭和四〇年法律第三三号による改正前の所得税法(昭和二二年法律第二七号)第七二条第一項、第六九条第一項

二、罰金完納不能者に対する労役場留置 刑法第一八条

三、訴訟費用の負担 刑事訴訟法第一八一条第一項本文

第二、被告人梶浦靖生につき

一、判示事実 所得税法附則第三五条、昭和四〇年法律第三三号による改正前の所得税法(昭和二二年法律第二七号)第六九条第一項(罰金刑選択)

二、罰金完納不能者に対する労役場留置 刑法第一八条

三、訴訟費用の負担 刑事訴訟法第一八一条第一項本文

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 長谷喜仁)

別表

<省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例